物理工学コースからのおしらせ


R03年度 物理工学 談話会開催について

物理工学ユニットでは、以下のように談話会を開催します。
昨今のコロナウイルスの感染状況などを踏まえ、 Zoom 会議形式で開催させて頂きます。


講師:藤野 琢郎 氏(博士課程後期3年)

演題:POLARBEAR実験によるCMB円偏光の探索

日時:8月 3日(木)13:10~

場所:会場:ZOOM会議( ミーティングID: 822 3654 2540 ) 【注】パスワードについては世話人もしくは物理工学ユニット教員にお問い合わせください


宇宙マイクロ波背景放射(CMB)は宇宙誕生から38万年後に放出された人類が観測できる最古の光であり,我々はCMBを通して初期の宇宙を観測することができる。 CMBはその存在が宇宙の進化における標準的な理論であるビッグバン理論の証拠となっているだけでなく,その温度ゆらぎや偏光を観測することで宇宙の進化について知ることができる。 CMBはその生成原理から円偏光の成分は無いものと考えられてきたが,近年,地球へと伝播する過程で円偏光が生成される可能性が指摘されている。 例えば,未観測である宇宙初期の恒星についての情報がCMBの円偏光に含まれると期待される。 そこで,CMBの直線偏光観測実験であるPOLARBEAR実験の観測データを用いた円偏光探索を進めている。 POLARBEAR実験では,光学系に組み込まれていた回転半波長板における円偏光から直線偏光への漏れ込みを利用して,直線偏光の観測データから円偏光を探索することが可能である。
本発表では,この円偏光探索で鍵となる,POLARBEAR実験で使用した半波長板の円偏光に対する漏れ込み量の評価と,その結果から見込まれる円偏光探索の感度を報告する。 また,地球大気からの円偏光放射を用いた測定方法の検証についても説明する。

ポスターはこちらをご覧ください。

世話人:中村正吾