物理工学コースからのおしらせ
R07年度 物理工学 談話会開催について
物理工学ユニットでは、以下のように談話会を 対面とオンライン(Zoom)のハイブリッド形式で開催させて頂きます。
講演者:廣瀬 開陽(博士課程後期3年)
場所: 総合研究棟 W202室
演題: フィードバック制御する人工較正光源を用いた宇宙背景放射観測望遠鏡のビームパターン測定手法の開発
日時: 2025年 5月27日(火)13:00 -
ZoomミーティングID: 950 9428 9112
パスコードは世話人もしくは物理工学教員にお問い合わせください
概要:
宇宙が誕生直後に指数関数的な膨張をしたとするインフレーションモデルは、ビッグバンモデルだけでは説明できない観測的事実を解決する理論として期待されている。 この実験的検証のため、インフレーションにより生じた原始重力波が宇宙マイクロ波背景放射(CMB) に刻む”Bモード” と呼ばれる偏光パターンの探索が国際的に進んでいる。Bモード偏光は温度にしてnK 程度の極めて弱い放射のため、観測の統計的感度を向上するとともに、望遠鏡のビームパターンを精密に測定し、サイドローブからの漏れ込み(視線外からの受信パワー)由来の系統的な不確かさを精度よく評価することが不可欠である。 このため、将来実験では 60 dB 程度の高いダイナミックレンジでのビームパターン測定が求められている。 CMB望遠鏡が擁する超伝導転移端 (TES) ボロメーターは飽和電力がpW 程度と極めて小さく線形ダイナミックレンジが狭いため、天体や熱源などの較正光源を用いる従来の手法では十分なダイナミックレンジでビームパターンを測定できない。 そこで本研究では、出力パワー可変な光源をフィードバック制御することで高いダイナミックレンジを得る手法を考案した。 この手法の原理検証のため、CMB望遠鏡を模擬した光学試験システムを実験室に構築し、常温ダイオード検波器と組み合わせた角錐ホーンアンテナのビームパターンを測定した結果、60 dB 程度のダイナミックレンジを達成した。
どなたでもお気軽にご参加いただけます。
ポスターはこちらをご覧ください。
世話人:片寄祐作