2018年度 理工学部 物理工学EP:ニュース
ノーベル物理学賞受賞小林誠先生の講演会 2018/11/8
本学同窓会組織の校友会と理工学部の共催で、社会で活躍する方を講師にお迎えして、講演会を行なっています。
今年度は、2008年にノーベル物理学賞を受賞された小林誠先生(高エネルギー加速器研究機構 特別栄誉教授・名古屋大学特別教授)に、受賞から10周年という節目の年に物理工学としてご講演をお願いしました。
司会は、佐々木賢名誉教授にお願いしました。
佐々木名誉教授は、小林誠先生が京都大学に着任された当時の学生で、長年にわたり小林誠先生と交流を深めておられ、今回の講演会の実現に尽力して頂きました。
講演会に先立ち、長谷部学長から、開会のご挨拶を頂戴しました。
長谷部学長からは、ご自身は経済を専門にしているが、小さい頃から物理が大変好きで、ノーベル物理学賞を受賞されたときは基礎研究における日本の底力を実感したというお言葉を頂きました。
小林誠先生には、「反粒子」と題する講演をしていただきました。
1930年代に始まった素粒子物理学の発展の流れとともに、反粒子の性質、粒子と反粒子の対消滅、CP対称性の破れ、について説明をされました。
その後、このCP対称性の破れの説明の可能性として、6元クォーク模型を1973年に益川先生と供に発表された事が紹介されました。
その実験的検証として、KEK(高エネルギー加速器研究機構)で行なわれたB中間子と反B中間子の生成・崩壊の過程を観測するBelle実験の研究結果も簡単に紹介されました。
講演の最後には、現在、宇宙の成り立ちの考え方として主流になっているビッグバンシナリオのなかでは、標準模型のCPの破れで「物質に満ちた宇宙」を説明できない事が説明され、現在も未知のCP対称性の破れの機構を探索するための実験が進められていることが紹介されました。
その後の質疑応答で多くの質問が寄せられましたが、質問者一人ひとりの言葉に熱心に聞き入り、簡潔かつ丁寧にご説明頂く姿が印象的でした。
多くの参加者から「楽しかった」「面白かった」との感想が寄せられた講演会は終了となりました。
講演会の会場は、本学の教育文化ホールです |
講演の前に長谷部学長の訪問を受けました |
控え室にて談笑する長谷部学長と小林誠先生 |
司会を佐々木名誉教授にお願いしました |
長谷部学長に開会のご挨拶をしていただきました |
講演中の小林誠先生 |
会場は盛況でした |
身振り・手振りを交えて丁寧にご説明頂きました |
笑顔でお話頂く姿が、印象的でした |
学生の他、多くの教職員も聴講しました |
質問にも熱心に耳を傾け、回答していただきました |
講演会を終え、素粒子研究の学生を交えて懇談していただきました |
講演会ポスターはこちらをご覧ください。
小林誠先生には、大変ご多忙の中ご講演をして頂き、感謝申し上げます。
理工学部 数物・電子情報系学科 物理工学EPの活動に、ご理解を深めて頂ければ幸いです。